日本リンパ腫学会について > 理事長挨拶

  • 理事長挨拶

    nagai  2024年6月に日本リンパ腫学会理事長を拝命いたしました永井宏和と申します。本学会は1961年に「リンパ腫及び類縁疾患において、病因・病態を解明し、診断精度、治療成績、患者の生活の質を向上させる」目的で、日本網内系学会として発足し、日本リンパ網内系学会への改称を経て、多くの実績を積み上げてまいりました。そして2024年6月に日本リンパ腫学会に名称変更をいたしました。
     我々が研究等の活動の中心としているリンパ腫は、血液系の腫瘍ではもっとも頻度の高い疾患となっています。リンパ腫研究の社会的な重要性は、益々高まってきました。
     本学会は、病理医を中心とする基礎の研究者と血液内科医を中心とする臨床の研究者がほぼ同数参加しており、その協働が特徴です。これら広い視点をもった研究活動を行うプラットフォームを提供することにより、腫瘍細胞だけではなく、他の疾患にも関わってくる免疫細胞をはじめとする微小環境の研究も盛んに行われています。更には、リンパ腫の全国調査の展開や、アンメットメディカルニーズの解決も学会が力を入れている取り組みです。学会で行っている血液病理認定医制度は、質の高い病理診断を提供できるだけでなく、血液病理医のキャリアパスの形成の一助になるものと考えております。若手教育も充実させ、リンパ腫の病態解明と共に、標準的な治療の普及に努め、新たな治療の開発につながる活動を進めたいと思います。
     グローバルな展開としてアジアが注目されます。アジアの研究者との共同研究は、これまでも行われてきましたが、一層の推進によりリンパ腫研究のハブになるべく活動して参ります。
     社会との関わりは、極めて重要です。リンパ腫関連の研究の公表の場として、本学会はofficial journalとしてJournal of Clinical and Experimental Hematopathology (JCEH)を定期刊行しております。PubMedに掲載され、インパクトファクターを獲得し、リンパ腫関連の研究結果を全世界に届けることが出来ています。海外の研究者の投稿も増加しております。また、本学会が、どの様に社会に認知され、社会に研究成果を還元できるか、そして倫理的側面も、日々問われています。情報発信と患者さんとの協力を重要な柱に加え、開かれた学会となるよう目指しています。
     日本リンパ腫学会と改称されましたが、冒頭に述べました我々の目標は変わりません。これまで培われた64年間を更に発展すべく、学会一丸となって邁進する所存です。
     今後とも一層の御支援とともに御指導御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

     2024年7月
      一般社団法人 日本リンパ腫学会
      理事長 永井 宏和

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